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何の前兆もなしに、いきなり体の左半分にマヒがきて倒れたという。
意識は何となくあるものの、を開くのもおっくうだったそうだ。 医師には「もうあと2ミリズレていたら、危なかった。 一病息災とは、まさにあなたのためにある言葉だ」と言われたとか。
夕方自宅の3階で倒れ、息子さんが背負って下まで降ろし、お嬢さんが車で病院まで運んだそうだが、たまたま当たらなかった。
C子「やっぱり頼れるものは子どもよね!」私「そりゃあそうよ」C子「そういえば、お墓探していたわよね。 どうした?」私「なかなかねえ……」C子「お墓よりセレモニーよ、この間、伯母が亡くなったんだけれど、お通夜から火葬まで市の同じ会場でできたのよ。
遺族が泊まれるスペースもあるし。 脳外科の先生で処置が早かったのが、不幸中の幸い。
ご主人は外遊中だったというから、本当に大事に至らなくてよかった。 結局、一週間ほどで退院し、翌月からはもう自宅に仲間を呼んで趣味の声楽を楽しんでいるところがいかにも彼女らしい。
そんな彼女と久しぶりに甘いもの屋さんで再会した。 彼女は開一番、こう言った。
「新しくて、とてもきれいだったわ。 お骨になれば運びやすいでしよ?枢に入れられたまま、あちこち移動されるの嫌だもの」私「そうか、ウチなんてマンションだから、枢がエレベーターに乗らないわょねえ!階段は水平には上れないから、枢の中で上に行ったり下に行ったり、頭ぶつけちゃいそう……。 お骨にしてもらってから、お墓は浦安っていうのもいいわね。 パーツと視界が広がって、潮騒を聞きながら、永遠に眠るなんて素敵じゃない。」

「ところで、体のほうはもういいの?」C子「お陰さまで。 でも薬の副作用で、指先が異常に敏感になって熱いものが持てないの。 その他にもいろいろあって……」私「お薬、先生に言って変えていただけばいいじゃない?」C子「そんなこと言えないわよ、先生も命拾いしたんだから、多少はガマンしなさいととおっしゃるし、何より命の恩人だもの」

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